全国

【会津】モデルコース2泊3日|日本のあたたかいおもてなしに出会う旅

あなたが「本当の日本」を知りたいと願うなら、福島・会津は最もふさわしい土地のひとつである。
アクセスの良い東京からほど近くにありながら、この地には喧騒や効率とは異なる、ゆったりとした時間が息づいている。

多くの旅行者が観光地そのものに魅力を求める一方で、福島・会津の旅では、それ以外に人や土地の温かさに触れるひとときこそが、心に残る体験となる。
名所を巡るだけでは出会えない、“まごころ”に包まれる時間が、この地にはある。

私自身、関西出身で、福島や東北を訪れたのは半年前が初めてだった。
初めて降り立ったとき、どこか懐かしくも新鮮な空気に包まれ、まるで知らない日本と出会ったような感覚があった。
本稿では、そんな私が実際に巡って感銘を受けた「会津を楽しむ2泊3日」モデルルートを紹介する。
1日目は、地域の空気と人の温かさを全身で感じるローカルな旅から始まる。

筆者プロフィール

世界のケン (Kensuke Matsuyama)ー
ポーランドに移住した経験をきっかけにSNS「Ken / Solo Japanese Style」を立ち上げ、ポーランドと日本をつなぐコンテンツを発信。現在は日本文化や日本人の暮らしにフォーカスした動画を展開し、総フォロワー数は100万人。さらに日本各地の旅館や隠れたスポットを紹介する「Japan of Japan」(YouTube登録者数6万人以上)を運営する。都市部だけではない「本物の日本の良さ」を日本人の視点で世界に伝える。

1日目|ローカルの風景と“まごころ”から始まる旅

旅の始まりは郡山駅。東京から新幹線で約1時間半、思いのほか近いと感じるだろう。ここから電車か高速バスに乗り継いで会津若松へ。所要は約1時間、都会から地方へと、旅のテンポが少しずつ切り替わっていく。

お座トロ列車で南会津へ

お座トロ列車の外装

会津若松に着いたら、「お座トロ列車」に乗り、南会津へと向かってほしい。
これは、“お座敷”と“トロッコ”を組み合わせた特別列車で、
靴を脱いで畳敷きの車両で日本菓子やお酒を楽しんだり、窓のないトロッコ車両で風を全身で受けながら渓谷沿いを走り抜ける体験ができる。
途中の見どころスポットでは列車が一時停車し、眼下に広がる清流と山々の景観をゆっくりと楽しめたりもする。

この列車に揺られるひとときは、移動でありながら“観光地そのもの”といえるほど印象的だ。
運行は4月〜11月の土休日が中心で、トロッコ車両の窓が開放されるのは6月〜9月のみ。
また、会津若松発は1日2本(9:50発と13:34発)しかないため、スケジュールに合わせて事前に時間をチェックしておこう。
本数・運行日が限られているので、事前の確認は必須だ。詳細な乗車レポートは下記の記事を参照してほしい。

▷「お座トロ列車」の詳細はこちら

https://hinotori-trip.com/media/%E3%80%8C%E3%81%8A%E5%BA%A7%E3%83%88%E3%83%AD%E5%88%97%E8%BB%8A%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%8D%E3%82%84%E3%80%8D%E3%81%B8-%E5%8D%97%E4%BC%9A%E6%B4%A5

江戸時代の宿場町「大内宿」

大内宿の街並み

途中の湯野上温泉駅に到着したら、猿游号という事前予約必須のバスで「大内宿」へ。
わずか15分ほどの道のりだが、山あいを抜ける頃には街の喧騒が完全に遠のき、時代の境目を越えるような感覚がある。
大内宿は、江戸時代の宿場町の姿を今に残す国の重要伝統的建造物群保存地区である。街道沿いに整然と並ぶ茅葺屋根の家々は、まるで絵巻物の中に迷い込んだかのような光景だ。観光地としての混雑は比較的少なく、通りを歩くだけでも心が静まっていく。
時折すれ違う地元の人々の柔らかな笑顔が、この土地の空気をさらに豊かにしている。

ねぎそばセット

ここで味わいたいのが「ねぎそば」というものだ。
あなたが最近箸を使えるようになったというのなら非常に残念ではあるが、
ここでは箸の代わりに長ねぎ一本を使ってそばを食べるのだ。
薬味ごと一緒にいただくという独特の食べ方で、初めて挑戦する人は苦戦するであろう。

また、日本でおなじみジュースの「ラムネ」もそこら中で買える。
独特のビー玉が響く音と、シュワッとした爽快な甘さは、どこか懐かしい記憶がふと蘇るようだ。
季節によって町並みの表情は大きく変わり、春の新緑、秋の紅葉、そして冬の雪景色はいずれも息をのむ美しさである。

▷「大内宿」の詳細はこちら

「まごころ」に包まれる、心に残る宿泊体験

まごころの宿 星野井の外観

観光を終えたら再びバスで湯野上温泉駅へ戻り、今夜の宿「まごころの宿 星乃井」へ。
「まごころ(Magokoro)」とは、直訳すると“true heart(真心)”や“sincere heart(誠実な心)”を意味する日本語で、見返りを求めず、心からの優しさと誠実さを行動で示すという、日本独特の感覚を指す。
それは大げさなサービスではなく、何気ない一言や丁寧な気配りのなかに自然とにじみ出るものだ。

そんな「まごころの宿 星乃井」、
駅から徒歩15分ほどだが、宿の送迎サービスも利用可能なので、荷物が多い場合や疲れているときでも安心だ。
この宿はかつて酒蔵だった建物を活用した老舗旅館で、長年にわたって旅人たちに愛され続けてきた。玄関をくぐると、スタッフの笑顔と穏やかな空気が迎えてくれ、初めて訪れた人でも自然と肩の力が抜ける。宿泊客の約7割がリピーターという事実が、この宿の魅力を何より雄弁に語っている。

初めての旅館はルールや礼儀が求められかもしれない、不安という人もいるだろう。
しかし心配はいらない。あなたが日本の文化を尊重し行動していれば皆は優しく支えてくれる。
私たちも旅館の礼儀についての動画を挙げているのでぜひそれもチェックして

▷まごころの宿 星乃井 動画

その中でも星乃井の食事は格別だ。
地元の旬の食材を使った郷土料理が並ぶ。特に名物の「じゃがいもの煮物」は、50年以上受け継がれてきた宿の看板料理だ。どこか新鮮でありながら懐かしさも感じるほど良い味わい。
そのシンプルながら深い味わいは、初めて口にした人の多くが「こんなじゃがいも、初めて食べた」と驚く逸品である。 

また湯野上温泉の源泉を引いた露天風呂は24時間入浴可能。
夜には湯面に星々が映り、虫の声だけが響く。湯に浸かりながら夜空を見上げる時間は、都会の夜には存在しない静けさに満ちている。

浴衣姿でバスに乗っている男女

星乃井の夜はまだまだ終わらない。お楽しみは、宿泊者限定のナイトツアーだ。
ご主人自らミニバスを運転し、夜の大内宿へと案内してくれる——これはどの宿にもない、星乃井だけの特別な体験である。
昼間は多くの観光客で賑わう大内宿も、夜になると人影が消え、水のせせらぎと満天の星空だけが広がる、まるで別世界のような静けさに包まれる。昼に訪れておくと、そのギャップがより鮮明に感じられ、まるで集落を貸し切ったかのような贅沢な時間を味わえるはずだ。

このツアーは、もともとホタルを見せたいという思いから始まり、口コミで広まって今では宿の象徴のひとつになっている。あなたもこのまごころ体験を一度経験すると、本来の日本の良さというものが見えてくるはずだ。

まごころの宿 星野井の前で笑顔でこちらに手を振っている人たち

以上のように1日目は、名所を次々と巡るというよりも、土地の空気と人の温かさに触れる時間である。移動、景観、宿泊がひとつの流れとなり、旅の基盤が静かに形づくられていく。ここから、会津の物語が本格的に始まる。


▷「まごころの宿 星乃井」の詳細はこちら

2日目|歴史と文化をめぐる、会津若松の王道ルート

1日目は、ローカルな空気と人の温かさに包まれる一日だった。
翌日は少しテンポを変えて、会津若松の「王道スポット」を巡る旅へと出かけよう。アクセスの良さと観光名所の多さが魅力のこのエリアでは、移動手段をうまく組み合わせることで、1日でも会津の歴史と文化を存分に味わうことができる。

モーニングツアーと列車旅

季節によっては朝のツアーも

朝は、宿「星乃井」の名物・モーニングツアーからスタート。
ご主人が運転する車で、近くの山中にある“ちょっとした秘密の場所”へ案内してくれる。
見た目は何の変哲もない草原なのに、足を踏み入れると… そこでは不思議な感覚に襲われる。自然が生み出したちょっとした魔法のような場所で、朝から旅のスイッチが一気に入る特別な体験だ。ぜひその目で見てほしい。

湯野上温泉駅の外観

ツアーを終えたら湯野上温泉駅へ戻る。
茅葺き屋根の駅舎は、朝の柔らかな光に包まれてどこか凛とした雰囲気を漂わせている。駅舎横の足湯で一息ついたら、列車に乗って会津若松方面へ。
前日に乗った「お座トロ列車」と同じ路線だが、逆方向の車窓はまた違った表情を見せてくれる。行きは南会津の山々を“これから始まる旅”として眺めたが、帰り道では少しずつ城下町へ近づいていく“物語の展開”を感じられるはずだ。短い区間でも、旅の余韻と期待が自然と高まっていく。

▷「湯野上温泉」の詳細はこちら

レトロな街とご当地グルメ

列車を降りるのは、会津若松駅のひとつ手前にある「七日町駅」。
駅を出ると、目の前にはレトロな商店街・七日町通りがまっすぐに伸びている。
藩政時代から城下町の西の玄関口として栄えたこの通りは、大正や昭和の面影を色濃く残し、白壁の蔵や木造建築が整然と並ぶ様子は、まるで100年前の日本にタイムスリップしたかのようだ。通りをゆっくり歩くだけで、時代を超えた旅情が自然と心に染み込んでくる。

七日町通りでは、食べ歩きとご当地グルメが旅の楽しみをさらに広げてくれる。
会津の名物といえば、まずは「喜多方ラーメン」。
透明感のある醤油ベースのスープに、太めでちぢれたもちもちの麺が特徴で、豚骨や魚介の旨味が優しく広がる味わいだ。一般的なこってり系ラーメンとは異なり、どこか懐かしく飽きのこない“やさしい一杯”として地元で愛され続けている。
おすすめは、次のスポット「鶴ヶ城」のすぐそばにある「喜鈴」。昔ながらの味わいを守りつつも、観光客でも入りやすい雰囲気が魅力だ。

もうひとつの名物が「ソースカツ丼」。
揚げたてのトンカツを、甘辛い特製ソースにくぐらせてごはんの上に豪快にのせた料理で、衣はサクッと香ばしく、肉の旨味とソースの深いコクが相まって箸が止まらなくなる。観光地というより、地元の人々が普段から足を運ぶような食堂や食事処で、本場の味を楽しむのがおすすめだ。
地元の人々にも愛される人気店として知られるのが「なかじま」。シンプルながらも素材と味にこだわった本場の一杯を堪能できる。

通り沿いにはほかにも、江戸末期から続く味噌蔵を改装した店で囲炉裏を囲んで味わうみそ田楽や、昔ながらの和菓子・大判焼き、ソフトクリームなど、ちょっとした甘味を楽しめるスポットも点在している。香ばしい味噌の香りや、熱々の大判焼きと冷たいアイスの組み合わせは、歩き疲れた身体にじんわりと染みる。

会津若松の象徴「鶴ヶ城」へ

鶴ヶ城の外観

七日町通りを満喫したら、次は車で少し足を伸ばして鶴ヶ城(会津若松城)へ向かおう。
お昼を食べ終えたら、近くのレンタカー店で車を借りるのがベストだ。
会津若松駅周辺にはいくつかレンタカー会社があり、なかでも「オリックスレンタカー会津若松」は英語対応の公式サイトもあるため、外国人旅行者にも利用しやすい。
レンタカーがあれば、このあとの観光がぐっと自由になり、さらに翌朝の“特別なスポット”への移動にも役立つ。

鶴ヶ城は、会津若松のシンボルともいえる名城だ。四季折々でその姿を変え、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪化粧と、いつ訪れても絵になる風景を楽しめる。特に冬の真っ白な城の姿は、日本でも有数の美しさとして知られている。

デジタルマップを見ている男女

城内では、戦国時代から幕末にかけての会津の歴史をじっくりと体感できる。甲冑や武具の展示、戊辰戦争に関する資料、天守閣からの展望など、見応えは十分。高台から望む会津盆地の景色は、かつての武将たちも見ていたであろう雄大な眺めだ。

抹茶と生菓子

さらに敷地内には、千利休の弟子・蒲生氏郷によって建てられた茶室「麟閣(りんかく)」があり、ここでは呈茶体験(抹茶と和菓子)ができる。
海外では「抹茶」といえば、ほとんどの場合、甘い抹茶ラテを指している。
しかし、日本の抹茶は本来、渋みと旨味が織りなす奥深い味わいが特徴だ。静かな茶室で一服すれば、戦国武将たちが愛した“わび・さび”の世界を少しだけ垣間見ることができるはずだ。

▷「鶴ヶ城」の詳細はこちら

会津の歴史を辿る

飯盛山の案内図

続いて向かうのは、鶴ヶ城から車で10分ほどの飯盛山
この小高い丘は、19世紀後半の日本において大きな転換点となった戊辰戦争の舞台のひとつだ。戊辰戦争とは、江戸幕府から新政府(明治政府)へと権力が移る過程で起きた内戦で、近代日本の始まりを象徴する歴史的な出来事でもある。会津藩は旧幕府側として最後まで抵抗し、この地で激しい戦いが繰り広げられた。

なかでも有名なのが、「白虎隊(びゃっこたい)」と呼ばれる10代半ばの少年たちの存在だ。彼らは大人の武士と同じように戦い、飯盛山に退いたのち、遠くに見える鶴ヶ城から立ち上る煙を見て「城が落ちた」と誤解し、武士としての誇りを守るために自刃(じじん:自ら命を絶つ)したと伝えられている。山の中腹には今も十九士の墓が並び、多くの人々が線香や花を手向け、静かに手を合わせている。

さざえ堂の外観

そのすぐ近くにあるのが、さざえ堂
1796年に建てられたこの建物は、世界的にも珍しい二重らせん構造を持つ木造建築で、上りと下りの通路が交わらない“一方通行”のスロープになっている。その設計は、レオナルド・ダ・ヴィンチの構想にも通じるといわれ、建築好きにはたまらない見どころだ。

さざえ堂の階段が続く内部

木がきしむ音を聞きながら内部を歩いていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚に包まれる。外観も独特で、まさに“日本にしかない不思議な建築”といえるだろう。

▷「飯盛山とさざえ堂」の詳細はこちら

情緒あふれる温泉街・東山温泉

観光を終えたら、宿は会津若松市郊外にある東山温泉へ向かおう。 鶴ヶ城から車で10分ほどというアクセスの良さながら、川沿いに老舗旅館や温泉宿が並ぶこの温泉街は、まるで山あいの隠れ里のような静けさと趣に包まれている。夜になると川のせせらぎが響き、街灯の淡い光が石畳を照らし、まるで映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気になる。

なかでもぜひおすすめしたいのが、「いろりの宿 芦名」
館内には昭和の面影が色濃く残り、どこか懐かしい日本の空気が漂っている。宿の象徴ともいえるのが、囲炉裏を囲んでいただく夕食の時間だ。囲炉裏の炭火でじっくりと焼かれるのは、旬の川魚や山菜、会津地鶏といった地元の恵み。湯気と炭火の香りに包まれながら一皿一皿を味わう体験は、どんな高級レストランにも代えがたい特別なひとときだ。

温泉は、湯量豊富な源泉かけ流し。少し熱めの湯が特徴で、旅の疲れを芯からゆっくりと解きほぐしてくれる。露天風呂からは四季折々の自然が眺められ、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、いつ訪れても風情がある。

そして何より心に残るのが、女将さんの温かなおもてなし
飾らない笑顔と優しい言葉に、会津の人々の真心が滲み出ている。初めて訪れる外国人でも安心して過ごせる、まさに“日本の宿”を体現する場所といえるだろう。

この日は、翌朝に特別な体験が待っているため、宿泊は夕食付きプランのみにしておくのが理想だ。朝は早めの出発になるので、夜は囲炉裏のぬくもりと温泉でしっかりと身体を休め、次の日に備えよう。

(芦名記事リンク)

こうして2日目は、会津の歴史と文化をぎゅっと凝縮した王道ルートを巡る一日となる。
1日目に体験した“ローカルな空気と人の温かさ”とは対照的に、より多くの旅行者が訪れる観光地を通して、会津という土地のもう一つの魅力を深く味わえる。鉄道、街歩き、歴史、食、そして温泉——旅の要素がバランスよく詰まった、まさに“王道”と呼ぶにふさわしい充実の一日だ。

▷「いろりの宿 芦名」の詳細はこちら

3日目|幻想的な朝の霧に包まれる──会津の旅、最終章

旅の最終日は、早朝から少し特別な体験へ。
まだ夜の気配が残る東山温泉を車で出発し、目指すは霧幻峡
ここは、只見川に立ちこめる朝霧が生み出す幻想的な景色で知られる、知る人ぞ知る秘境だ。霧が立ち上る川面に小舟がゆっくりと進む光景は、まるで異世界のワンシーンのよう。運が良ければ、朝日が差し込んで霧が黄金色に染まり、言葉を失うほどの美しさに出会える。

この光景は、ほんの一瞬
霧の出方や時間、天候によってまったく表情が変わるため、まさに一発勝負だ。
少し肌寒い川沿いに立ち、息を呑みながら霧の向こうを見つめる時間は、この旅のクライマックスにふさわしい緊張感と静けさを併せ持っている。
舟に乗って川面を進んだあとは、対岸に上陸し、しばし幻想的な風景の中を散策する時間がある。霧の奥から鳥や虫の声が響く静寂のなかで立ち止まると、自分だけが特別な時間に迷い込んだような感覚になる。
(※舟運は、冬季を除き基本的に7:00〜日没までの間に運航されるが、事前相談により7:00前の利用も可能。特に6〜8月の早朝や夕方の時間帯がおすすめ。)

霧幻峡を訪れたら、もうひとつ外せないのが只見線の撮影スポット
道の駅のすぐ側にあり、少し眠気覚ましとして、只見線の列車が鉄橋を渡る姿を眺めるのもいい。
只見線は、日本でも屈指の“絶景ローカル線”として知られ、川と鉄橋、列車、そして山並みが一体となった風景は世界中の鉄道ファンを魅了している。列車が鉄橋を渡るタイミングに合わせてシャッターを切れば、まるで絵画のような1枚が撮れるだろう。ここも時間との勝負になるため、事前の時刻確認と早めの移動が肝心だ。

只見線の、第一只見川橋梁ビューポイントに停車する時間のスケジュール

幻想的な霧幻峡と只見線の景色を堪能したあとは、再び会津若松の街へ戻り、旅の締めくくりを迎える。
この日は移動時間にも余裕があるので、もし2日目に行きそびれた場所や、もう少し散策したいスポットがあれば、このタイミングで立ち寄るのも良いだろう。

そして最後に訪れたいのが、創業170年を超える老舗酒蔵 「末廣酒造」
蔵の見学ツアーでは、伝統的な日本酒造りの工程を間近で見ることができ、ショップでは地酒の試飲やお土産探しも楽しめる。英語対応の資料も用意されているので、外国人旅行者でも気軽に参加できるのが嬉しいポイントだ。ここで手に入るお酒や酒粕スイーツは、旅の記憶を持ち帰るのにぴったりの一品となるだろう。

買い物を楽しんだあとはレンタカーを返却し、郡山駅経由で東京方面へ。
2泊3日の会津の旅は、こうして静かに幕を閉じる。

東京からわずか数時間でアクセスできる場所に、こんなにも豊かな時間が流れている──
効率やスピードが優先される日常とは違う、人と土地の温もりに包まれる時間が、会津にはある。
ローカルの優しさ、歴史と文化が息づく王道の名所、そして自然が生み出す一瞬の絶景。

この3日間の旅を終える頃には、きっとあなたも私と同じように、
本物の日本との出会いに心を動かされているはずだ。
会津は、何度訪れても新しい発見と“まごころ”が待っている土地である。

▷「霧幻峡と只見線撮影スポット」の詳細はこちら

▷「末廣酒造」の詳細はこちら

ABOUT ME
大﨑庸平
地域観光と地域旅館が好きで株式会社Hinotoriを起業しました。以前は株式日本ユニストにて熊野古道の宿「SEN.RETREAT」を立ちあげ集客していました。「地域のまごころが報われる世界を創る」をミッションに旅館と地域観光を盛り上げたいと思っています。以前は屋内型テーマパークSMALL WORLDSやアートアクアリウム美術館の立ち上げに参画してマーケティングをしたりとマーケティング畑が長いです。新卒ではPwCコンサルティングに所属しておりました。