『不動館 小谷の湯』は、大川渓谷の雄大な自然とともに、源泉かけ流しの湯を満喫できる温泉宿です。
四季折々に移ろう渓谷美に包まれながら、心身を癒す休日を過ごしたい方にぴったり。
本記事では、実際に宿泊してわかった魅力と、電車とバスを利用して立ち寄れる近隣の“絶対外せない”おすすめスポットをご紹介します。
こんにちは!私は福島生まれ福島育ち、旅行会社で働くあおいです。
「大好きな福島をもっと多くの人に知ってほしい」──そんな思いで、今回は芦ノ牧温泉『不動館 小谷の湯』の魅力をお届けします。
最寄駅に到着|嬉しい送迎サービス

最寄りの芦ノ牧温泉駅からは車で約10分。宿の送迎があるので、初めてでも安心して向かえます。
車に乗り込むと、管理人さんが「暑くなかったですか?」「この辺りは初めてですか?」と気さくに声をかけてくださり、緊張がふっと和らぎました。
不動館は、木々に囲まれた細い道を少し下った先にあります。坂の左側にはコンビニがあり、何かあればすぐにと思える距離感もありがたいポイントです。大通りから一気に下っていく道はちょっと不思議な感覚で、まるで山の中へ吸い込まれていくような気分でした。
外観|建物の大きさに驚く

到着してまず目を引いたのは、その建物の大きさ。
管理人さんに聞いたところ、お部屋は全部で33室、最大で105名も泊まれるそうです。さらに昔は大人数での宴会にもよく使われていたとのこと。(宴会は日本ならではの文化で、ただの食事会ではなく、食事やお酒を囲みながら歌や余興で盛り上がる場です。イメージとしては、欧米でいう「会社のホリデーパーティー」や「大家族の集まり」に近い感じでしょうか。)
こんな自然に囲まれた場所で宴会をしたら、きっと気持ちがいいんだろうなと思いました。
チェックイン|全面新緑に包まれたロビー

館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは窓いっぱいに広がる新緑の美しさ。
大きな窓ガラスというスクリーンを通して眺めると、木々がまるで特別な演出を受けたかのように映り、自然の新しい楽しみ方を発見したような気がしました。
その感動を受付のスタッフさんに伝えると、「実は私もこの景色に惹かれて、ここで働くことを決めたんです」と教えてくれました。
こういった何気ない会話をスタッフの方とできる雰囲気なのも、不動館の魅力です。

ロビーの横にキッズスペースがあるのにも驚きです。3歳になる姪っ子を連れてきたら、きっと喜ぶだろうなと思いました。
手前には赤ちゃん用のシャンプーなどもあり、すごく親切に感じました。
全体的に広々とした印象で、館内も周囲の自然も開放的。見て回る場所が多くて、自然とワクワクしてくるような空間でした。
部屋|全室から渓谷が見える和室

案内されたお部屋に入ると、まず目に飛び込んできたのは、窓の外に広がる美しい渓谷。
海派の私ですが、思わず息をのむような山の景色に心を奪われました。
畳の香りがほのかに漂うこのお部屋は、フローリングとはまったく違う、どこか懐かしくて落ち着いた空気に包まれています。建物自体には少し年季を感じましたが、畳は新しく、嫌な匂いも一切なくとても快適でした。
仕切りはドアではなく襖(ふすま)、そして光は障子(しょうじ)を通してやわらかく差し込みます。
そして窓の外に広がる緑を眺めながら、友人とお茶を一服。添えられていた管理人の方おすすめのクッキーがあまりに美味しかったので、翌日お土産売り場で購入しました。

低い机に座布団というスタイルも新鮮で、正座をしてみたり、あぐらをかいてみたり。
夜になると宿の方が押し入れから布団を敷いてくださり、その上で眠ります。畳の上で布団にくるまれると、ホテルのベッドとは違った不思議な安心感があり、「これぞ和室の醍醐味だな」としみじみ感じました。
温泉|源泉かけ流し湯を渓谷とともに楽しむ

不動館の大きな魅力は、なんといってもこの渓谷の絶景を眺めながら温泉に浸かれること。
この景色は写真や文章では伝えきれないので、ぜひ実際に体感してほしいところです。

ここで楽しめる芦ノ牧温泉のお湯は「硫酸塩泉」。
血液の循環を助け、動脈硬化の予防や保温効果があるといわれています。さらに飲用も可能で、慢性便秘や生活習慣病の改善にも効果が期待できるそうです。
夜中に目が覚めて少し冷えていた身体を、温泉でゆっくりと温めることができました。友人も何度もお湯を楽しんでいたようです。ちなみに私は乾燥肌なのですが、翌朝、肌がしっとりとして綺麗になっていたことにとても驚きました。
美しい景色とこうした効能を求めて、地元の方々が何度も足を運ぶというのも納得です。

温泉でしっかり温まったあとは、館内の卓球スペースへ。
昔ながらの温泉宿といえば「お風呂上がりの卓球」が定番ですが、実際にやってみるとやっぱり楽しいものです。

友人や家族とラリーを続けながら笑い合ったり、ちょっと本気で勝負してみたり。お風呂上がりにこうした遊びの場があるのは、思い出づくりにもなって嬉しいですね。
食事|朝夕バランスの取れたラインナップ

旅館に泊まってまず驚かされるのが、その「食事の充実度」だと思います。
例えば、普段ファミレスでハンバーグ定食を頼んだら、メインとご飯、スープくらいで終わりますよね。

でも旅館の夕食は違います。肉料理に魚料理、地元の野菜を使った小鉢、締めのご飯やお吸い物、そして最後にはデザートまで。テーブルいっぱいに並んだ料理は、目でも楽しめるごちそうです。
こちらが実際のお品書きです。品数が豊富で、思わずテンションが上がりますよね。
特に印象に残っているのは、会津坂下産のコシヒカリ。炊きたてのご飯はふっくらとしていて、炊き方も絶妙でした。ここまで美味しいお米をいただいたのは本当に久しぶりです。


朝食も栄養バランスが考えられていて、朝からしっかり元気をもらえるメニュー内容です。特に温かいまま食べるお味噌汁はとても気に入りました。
「心の満足度」と「お腹の満足度」がここまで一致するのは、やっぱり旅館の食事ならではだと感じました。

朝食のあとは、3階のロビーで少しひと息。
ふと目に入ったのは、自由に使えるセルフコーヒーマシンでした。8:00〜9:30限定で、モーニングコーヒーを無料でいただけるとのこと。
食後って、なぜか自然と「コーヒー飲みたいな」と思う瞬間がありますよね。 そんな気持ちをそっと叶えてくれる、こうした細やかなサービスがとても嬉しかったです。
朝散歩|宿に神社が併設!?

少し外の空気を吸いたくなって玄関を出たところ、昨日は気づかなかった小さな神社がすぐ目の前にありました。宿の敷地内に神社があるなんて、なんだか特別感がありますよね。

みなさんもご存じのように、日本は世界でも珍しい“多宗教の国”です。
自分の文化を大切にしながらも、さまざまな宗教や価値観を柔軟に受け入れてきました。
私は、そんな日本の「共に生きよう」とする姿勢や、受容の精神に深く魅力を感じています。
神社を散策して雰囲気を味わうだけでもいいし、囲われた自然に身を委ねて癒やされるだけでも構いません。
お祈りも「やるべきこと」ではなく、もし気が向いたらやってみる、そんなふうにひとつの体験として触れてみていただければと思います。
お土産売り場|ユニークな品揃え

ロビーの左手には、小さなお土産コーナーが設けられていました。
福島名産の桃を使ったお菓子や、お部屋に置かれていた管理人さんおすすめのクッキーなど、思わず手に取りたくなるアイテムがずらり。
中でも目を引いたのは、棚に並んだ「婦人服」。
旅館でこういった衣類を見かけることはほとんどないので、なんともユニークで微笑ましく感じました。
チェックアウト|渓谷を堪能できた滞在

ロビーからの眺めは、やはり何度見ても心が洗われるようでした。
「これで見納めだね」と友人と話しながら、最後にもう一度たっぷりと景色を目に焼きつけて、不動館を後にしました。
チェックインからチェックアウトまで、美しい渓谷とともに過ごせた時間は、自然が好きな私にとって本当に幸せなひとときでした。帰り際も、私たちの姿が見えなくなるまで手を振ってお見送りしてくださったスタッフの方の姿が、今でも印象に残っています。
次はぜひ冬の雪景色が見れる時期に訪れたいです。
基本情報
旅館名:不動館 小谷の湯
住所:〒969-5146福島県会津若松市大戸町小谷湯ノ平2498-2
アクセス方法:
【電車で行く場合】
最寄駅:会津鉄道「芦ノ牧温泉駅」下車
駅から大内宿まで:車で約8分(送迎あり ※条件あり)
【車で行く場合】
東京から:
東北自動車道 郡山JCT → 磐越自動車道 会津方面 → 会津若松IC → 国道118号を約20km
所要時間:約30分(ICから大内宿まで)
「不動館 小谷の湯」の予約はこちら:https://www.ryokan-book.com/jp/area/aizu/ryokan/fudokan-jp/
湯野上温泉駅|地元のバスで’’大人気観光スポット’’へ

芦ノ牧温泉駅から会津鉄道に揺られること約20分。
本日の目的地に向かうための最寄り駅・湯野上温泉駅に到着しました。
ここは茅葺き屋根の駅として知られていて、“日本で唯一”とも言われる珍しい佇まい。
駅舎の隣には足湯も併設されており、電車待ちの時間もゆったりと過ごせるのが魅力です。
目的地までは、広田タクシーの「猿游号(さるゆうごう)」というバスに乗り今回のお目当てのスポットへ向かいます。バスの乗り方についてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
大内宿に到着|茅葺き屋根が連なる“江戸の宿場町”へ

福島県南会津郡下郷町にある「大内宿」は、かつて会津若松と日光今市を結ぶ街道の宿場町として栄えた場所。
国の重要伝統的建造物群保存地区にも選ばれており、茅葺き屋根がずらりと並ぶ街道を歩いていると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。

現在は約30軒の家屋のうち、18軒ほどが食事処やカフェとして営業しているそうです。そして何より驚くのは、この大内宿には今も実際に人が暮らしているということ。実はただの観光スポットではなく「生活と観光が同居している集落」なんです。
茅葺き屋根の裏側には、現代的な住宅も並んでいます。実は私の小・中学校時代の友人のひとりが大内宿の出身で、よく遊びに来ていたことがありました。
その頃からこの風景が大好きで、今では知人にも必ずおすすめしているお気に入りのスポットです。


名物といえば、囲炉裏のある「三澤屋」のねぎそば。
箸の代わりに一本丸ごとのネギでそばをすくって食べるという、なんともインパクト大なスタイルですが、ネギは辛みが少なく意外と食べやすいんです。

食事のあとは、道の両脇を流れる小川で冷やされていたラムネをいただきました。手に取ると、ガラス越しにもひんやり感が伝わってきます。
この独特の瓶で飲むラムネって、どうしてこうも特別に感じるんでしょう。子どもの頃からの不思議ですが、大人になった今でも変わらず“ごほうび感”があります。ぜひみなさんにも体感してみてほしいです。
大内宿まとめ|’’昔ながら’’に心癒される滞在

日本には「医者と味噌は古いほどよい」ということわざがあります。
経験や時間が物事の価値を高める、という意味です。
大内宿の茅葺き屋根も、まさにこのことわざを体現しているように感じました。
何百年も風雨にさらされながらも、少しずつ修繕され、手をかけ続けられてきたからこそ、美しい景観が今に残っています。
新しいものから得られる刺激ももちろん楽しいですが、こうして紡がれてきた古き良き風景をゆっくり味わう旅も、また格別です。
基本情報
スポット名:大内宿
住所:〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大字大内
アクセス方法:
【電車で行く場合】
① 浅草駅からのアクセス
ルート:東武鉄道 → 野岩鉄道 → 会津鉄道
浅草駅 → 新藤原駅 → 会津高原尾瀬口駅 → 湯野上温泉駅
駅から大内宿まで:湯野上温泉駅から車・バスで約10分
所要時間:約3時間半(JR新宿駅発もあり)
② JR東京駅からのアクセス
ルート:東北新幹線 → JR磐越西線 → 会津鉄道
東京駅 → 郡山駅 → 会津若松駅 → 湯野上温泉駅
駅から大内宿まで:湯野上温泉駅から車で約10分
所要時間:約3時間半
【車で行く場合】
東京から:東北自動車道 → 白河IC → 国道289号 → 大内宿
所要時間:約3時間
▷大内宿の詳細はこちら
▷会津について詳しく知りたい方はこちら
▷会津の旅館はこちら





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