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歴史と自然溢れる場所でほっとひと息を。宇陀市「うだ薬湯の宿 やたきや」

HINOTORI

今回ご紹介するのは奈良県宇陀市の「うだ薬湯の宿 やたきや」です。築300年の古民家をリノベーションしたこちらのお宿は、自然に囲まれており、薬草を使ったお料理や心地よさにこだわったお部屋が人気です。

歴史ある場所で地域創生として始めたお宿

ー まず最初に、お宿を開業したきっかけを教えてください。

本業は田中畳店という創業110年目の畳屋で3代目を務めていますが、古民家の事業自体は約30年前から畳屋の方で行っておりました。

今から十数年前に地方創生の仕事をやってみないかという話をいただき、物件を探していたところ、この築300年の建物に出会いました。せっかく歴史ある建物なので、古い家を次につなぐという意味で、宿泊施設がいいのではないかというのが、このお宿のはじまりです。

ー築300年のこの物件を選ばれた決め手は何でしたか。

実はこの物件に決めたのは、見学にきたその日なんです。

実際、築300年の家というのは、なかなかこの地域でもあってないようなものなんです。

この近くには伊勢本街道や飛鳥村もあるため、歴史が深い地域でもあります。そんな歴史ある地域に築300年のお宿があるっていうのは、やはり意味があるものになるのかなと思いました。

ー カフェなど他にもいろんな事業の選択肢がある中で、最終的に宿泊施設を選んだのはなぜでしょうか。

宇陀の地域は本当に宿泊施設が少ないので、宿泊施設にしようというのは最初から決めていました。

ゲストハウスは最近できてきていますが、お食事やお部屋、おもてなしなどをご提供するいわゆる「お宿」と呼ばれるしつらえの宿泊施設はほとんどないので、宿泊施設をやるしかないなと思っていました。

若者が帰ってきてくれる場所に

ー お宿を運営するとなると雇用問題で難しい部分もあると思いますが、その点で何かお考えがあればお聞かせください。

62年間宇陀に住んでいて感じるのが、やはり地域人口の流出が激しいということです。電車で約1時間弱で大阪に行けるため、若い子は都市部に出ていってしまいます。

その中で、宇陀に残った高齢者が今度どうしていくかという部分を考えると、雇用問題は特に大事だと思います。

畳屋もしているのですが、こちらも職人さんの世界なので、なかなか若い子のなり手がいなく、悩んでいたところもあります。

ただ、この現状がとてももったいないなと思います。

実際、ここで子供が育ち、それから若い家族が生活していけたらいいなという想いの中で、お宿を営みながら生活ができれば一番いいなと思っています。

そして、一度出ていった若者たちが大阪などの都市部で色々な経験をして、その経験を元に、宇陀に帰ってきてからさまざまな事業をして地域を盛り上げてもらえたらいいなと思います。

築300年の旅館と地域とのつながり

Screenshot

ー宇陀の魅力を教えてください。

たくさんありますね。たくさんありすぎて、ないのと一緒って言われたこともあります。

隣には明日村があり、 この近くには、文祢麻呂(ふみのねまろ)という、壬申の乱で活躍した将軍さんの墓があったり、歴史的に見ると、様々な時代が動いた時に中心になった地域だと思います。その歴史的な背景こそ、この地域を魅力的にする理由だと思いますし、ぜひ訪れる皆さんに知っていただきたいですね。

その他にも宇陀は、大和伝統野菜の発祥地であったり、佛隆寺というお寺が、 大和茶や黒豆の発祥の地であったりします。
数千年前に大陸からこの地域へあらゆるものが伝わり、それから日本各地へ分散していった、まさに歴史的にとても重要な場所だったと思っています。

四季折々の自然も魅力的で、桜の隠れた名所も点在しています。

ー 「うだ薬湯の宿 やたきや」の名前の由来を教えてください。

名前の由来は実は単純なんです。このあたりは八滝(やたき)という地区なので、その地区の名前の最後に”や”をつけて、「やたきや」になりました。この辺は川のないところなのですが、八滝には水がたくさん湧いてるという意味もあります。豊富で肥沃な場所なので「やたきや」という名前にしました。

ー やたきやさんは薬草も有名ですね。何か地域との繋がりもあるのでしょうか。

ここの施設では、農園、お宿そして裏山では里山作りもしています。農園には、大和当帰という宇陀が発祥の薬草を無農薬で栽培しており、世界的にも注目されています。

推古天皇が初めての薬草狩りをしたのは宇陀なので、もっと全国にアピールしたいということで地域全体が盛り上がっています。

ー 最後に、お宿の魅力を、ぜひ教えていただきたいです。

お宿の魅力は、築300年の歴史を感じていただけるところです。屋根や畳などは新しくしましたが、蔵や納屋は150年以上、1番新しい和室は造られてから70年ほどたっていますが、リノベーションの際に造り変えたりはしていません。

建物の見えるところはほとんど当時つくられたものをそのまま残しており、お客さまにその歴史を感じていただけたらと思っています。

うだ薬湯の宿 やたきや 基本情報

うだ薬湯の宿 やたきや

奈良県宇陀市榛原八滝1835番地
Tel. 0745-85-3650
Mail. info@yatakiya.jp

公式サイト
Hinotori 宿紹介メディア

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