明石の地と海の恵みを味わう贅沢なひととき。明石市「料亭旅館 人丸花壇」

今回のインタビューは、兵庫県明石市にある「料亭旅館 人丸花壇」です。明石の豊かな海で育まれた新鮮なお魚料理が自慢の、創業75年を誇る老舗旅館です。地元の歴史と食文化を大切にしながらも、現代のお客様に合ったサービスを提供し続けています。この記事ではそんな人丸花壇の魅力について、代表の小谷さんにお話を伺いました。
知られざる明石地域の魅力

ー 明石周辺地域の魅力を教えてください。
明石の魅力というと、やっぱり海ですね。明石は「海の町」と言われていて、大阪湾から播磨灘に抜けていく豊かな海があって、美味しい魚が獲れます。
それと、東経135度線が通っているので、明石の真上に太陽が来た時に日本全国が12時になるので、「時の町」とも言われます。
源氏物語に登場したりと歴史も非常に古いので、歴史深くて海の魚が美味しい町ですね。
ー 海の幸に関しては、タコを目当てに来る方が多いですか。
そうですね。
ただ、元々明石はタコよりも実は鯛の方が有名で、明石の鯛が将軍様に届けられていました。
タコは家庭で食べるもので、料理屋さんで使う食材ではなかったのです。
それが最近になって、明石のタコも非常に美味しいと注目を浴び、それを目当てにお越しいただくことも多くなりました。
港町の歴史の中で生まれた人丸花壇

ー 人丸花壇開業の歴史について教えてください。
明石は鉄道が発達する前は、海上交通がメインで、港町として非常に栄えていました。
なので当然、明石に来ると1泊するということで、宿場町もあったんですね。今はもううちしか残ってないんですけど、うちの周りはもう旅館だらけでした。
私の祖父が元々飲食店をやっていて、宿場町の中に旅館を建てました。その飲食店の旅館部門として人丸花壇を建てたのが1950年です。今年で75周年になりますね。
ー 創業から変わってきたものや、逆に変わらず受け継いでいるものがあれば教えてください。
明石は神戸や大阪に比べると、どうしても田舎なので、美味しい魚が明石で獲れるけれど、それが神戸や大阪に流れて、一流の職人さんによって料理されることが多かったようなんです。
明石にももちろん飲食店はたくさんあったんですけど、創業当初はいわゆる専門の調理師さんがいるようなお店がなかったんですね。私の父の代からは、大阪の専門の調理師さんを呼んできて、明石の一流の素材と一流の腕を持った職人さんを掛け合わせて美味しいものを提供しています。
料理は、旅館の1番根本になる部分だと思うので、そこは変えずに職人さんにちゃんと働いてもらう。そして若い職人さんがうちで修行して、一流の職人になっていく今の環境をずっと続けていきたいなと思っています。
あとは、昔は時代的に、会社の接待でご利用いただくお客さんが多かったですが、今は個人のお客様がほとんどなので、お客様それぞれのニーズに合ったことをやっていくように心がけています。
旅館ですけど、いい意味で旅館にこだわっていません。
例えば日帰りのお客様もおられますし、お料理をご自宅に運ぶというような事業もかなり早くからやってきました。田舎にあるので、何かに集中してやるというよりは、お客様の希望にどんどん応えていくという姿勢でいます。
ー 人丸花壇さんの強みでもある「食」へのこだわりや思いを教えてください。
どのように日本料理の美味しさを感じてもらうかという点を重視していて、すべてのベースとなる出汁をいかにうまくとれるかは、こだわっています。うちのお店では非常にたくさんの種類の出汁を使っていますし、それをお料理に合わせてお出ししています。
また、海のそばにあるお店なので、明石で獲れた魚をダイレクトに味わってもらうということも非常に大事にしています。
日常からちょっと離れた素敵な空間

<出典:https://www.hitomarukadan.com/>
ー 温泉の特徴を教えてください。
非常に滑らかな泉質なので、肌にもいいですし、閑静な場所に位置しているので、ゆっくり静かに、とてもリラックスして入っていただけるかなと思います。
ー お部屋のこだわりや特徴を教えてください。
全室和室でくつろげる空間作りにこだわっています。
お客様のご要望として、ベッドのお部屋はないのかというお問い合わせもありますが、そこは純和風を通しています。どこか懐かしい、昔の和風の建物とかお部屋とか、そういうものを残していきたいなと思っています。
ただ、その中でも例えば畳だったりは新しくしていて、お客様が過ごしやすいようにしています。
おいしい料理と落ち着いた旅を過ごしたい方におすすめ

<出典:https://www.hitomarukadan.com/>
ー どのような目的や思いでこられるお客様が多いですか。
兵庫県は有名な観光地や温泉地がたくさんありますが、泊まりに来られる方は「そういうところはもう行きました」とおっしゃる方が多くて、皆さんがあまり知らない、「隠れ家」みたいな所を探して泊まりに来られるような方が多いなと思っています。
あとは、観光地で、色々なところへ観光する旅行も楽しいけど、家からそう遠くなくても、美味しいものを食べて、お風呂に入って、ゆっくりして、もう次の日帰りますというような落ち着いた旅行を求められる方も多いので、そういう方には向いていると思いますね。
ー 最後に、これから来ていただくお客様に向けて、メッセージをお願いします。
来ていただいたお客様には、人丸花壇の一番のこだわりである明石の地の物を使った美味しいお料理を食べていただいて、お風呂にゆっくり入っていただいて、お部屋でゆっくり過ごしていただく。
日常からちょっと離れてリラックスしていただけるような時間を過ごしていただきたいと思っています。
人丸花壇 基本情報

料亭旅館 人丸花壇
住所 〒673-0875 兵庫県明石市大蔵天神町21-22
連絡先 078-912-1717